カラーガイド活用ガイド

DIC標準色とは

 企画、デザイン、プリプレス、印刷といった印刷物制作工程全般においてデジタル化が進み、デザイン現場ではパソコン上でデザインのシミュレーションを行い、モニタやプリンタの出力色でデザインの確認を行っています。ところが、このモニタやプリンタで再現される色が、実際のプロセス印刷の色と合致しないという問題点が指摘されています。

 この問題の原因の一つとして印刷側の色再現(*1)があり、私どもDICではこの問題を解決する手段として、印刷再現色の基準の設定に取り組んできました。日本における一般的な印刷条件(印刷用紙別の濃度やドットゲイン量)を考慮し、かつISOやJapanColorを満たす印刷再現色の基準として、弊社独自の経験と技術により、2000年5月に「DIC標準色」を設定しました。以降、この「DIC標準色」に対応したモニタやプリンタに対して認定を行い、広くデザイナーを始め、多くの印刷関連の方々に利用していただいております。これら認定されたモニタやプリンタを利用されることにより印刷物に近い色再現が可能となり、印刷物のシミュレーションを行う際の最も有効な手段となります。

 また、広く利用していただいております見本帳「DICカラーガイド」に対応したプロセス見本帳「DICカラーガイド/プロセスカラーノート」では、全1280色をDIC標準色に対応して作成されておりますので、見本帳の色再現にもご利用いただけます。

(*1) 印刷物の色再現

 印刷物完成までの複雑な工程と印刷産業が抱える特殊事情から、一貫した色の統一には及んでいないのが現実です。同じ原稿から作成された印刷物でも、印刷した時期、あるいは会社が異なると、色再現も異なってしまう場合があります。また、ターゲットとすべき印刷の色の基準も国内ではJapanColor(枚葉、輪転、新聞)やJMPAカラー(雑誌広告基準カラー)、海外ではISO-12647-2、GRACoL、SWOPなど複数存在し、定義や規格値もそれぞれ異なります。

DIC標準色プロファイルとは

 DIC標準色プロファイルとは、オフセット標準印刷のカラー属性ファイル(ICCプロファイル(*2))です。カラー属性ファイルとは、入力と出力デバイスを関係付けるために、デバイスごとのカラー属性を定義したファイルのことで、デバイス間の色データ変換はプロファイルを使って行われます。DIC標準色プロファイルは、各条件(インキ、網点形状、用紙)に合わせて自社開発した独自のプロファイルチャートを使い作成されています。スタンダードプロセスインキから広色域、シックスカラーなど幅広いプロファイルをラインナップ。各種デバイス(DDCP、プリンター、モニターなど)に、このプロファイルを使用しシミュレーションを行いカラーマッチングのツールとして利用、これにより仕上がりのイメージを確認する事が可能です。

(*2) ICCプロファイル

印刷機・プリンター・モニターなどのデバイスに依存する色の値(CMYKやRGB)と、デバイスに依存しない色の値(L*a*b*)、これら両方に対応する変換テーブルのデータです。

フロー図

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